【海外駐在】コロナ渦の出国トラブル:健康診断編
こんにちは、シンガポール駐在員のかじまです!
2020年から日本を出国し現在で駐在1年強です。
わたしはシンガポール赴任時の入国承認で政府から二度も入国拒否をくらい、
住居がないまま日本でホテル暮らしをていました…
この不安な日々、なんと駐在員が必ず行う健康診断でもトラブルが発生。
今回はその時の体験談をご紹介したいと思います。
わたしの体験を元に、同じような辛い目にあう人がすこしでも減れば幸いです。
それでは、どうぞ〜!!
この記事がおすすめな人
・コロナ期間中に海外出張が決まった人。
・駐在員として会社から出向を命じられた人。
・海外出向の時の注意すべきトラブルについて知りたい人。
たかが健康診断、されど健康診断
なぜ健康診断を受けるのか
海外赴任される方、もしくはされた方は皆さん健康診断を受けているのでしょうか?
全員に聞いたわけでは有りませんが、基本的にはYESだと思います。
なぜか、それは法律でそう決まっているからです。
海外赴任における健康診断について(労働安全衛生法)
国内の場合、基本的に事業者は労働者に年一回健康診断を受けさせる義務があります。
海外赴任の場合には年一回の定期健康診断の義務はありませんが、
代わりに赴任前の赴任後に同項目(か、それ以上)の健康診断をうけさせます。
参考:https://japantravelclinic.com/service/company1.html
ここで重要なのが、この規則が労働安全衛生法という法律で決まっている点です。
わたしも「健康診断くらいなんとかならないの?」と思っていましたが、甘いです。
この健康診断と、その結果で判定される海外赴任の可否判断は簡単に覆るものでは有りません。

これに違反すると会社としては、コンプライアンス違反になります。
社内の話で済まないからこそ、キチンとしているのですね~。
どのタイミングで受けるのか
この健康診断の厄介な点は受けるタイミングにあります。
基本的にはこの健康診断は、海外駐在員に対して行うものなので、海外駐在が決まった後に受診します。
海外駐在員の出国に向けた流れ
1. 会社から出向の打診・受け入れ。(出国3ヶ月前)
2. 出向先と日程調整、就労ビザの取得とフライトの確定(出国2ヶ月前)
3. 引っ越しなど身の回りの準備(出国1ヶ月前)
4. すべての準備完了(いざ出国)
わたしの場合、会社から健康診断の案内を受けたのは2の出国2ヶ月前の時点でした。
もちろん健康診断で問題が発覚すれば海外赴任はできません。
そういう意味では最優先で完了しなければならない項目なのですが…
一般的に考えて、2ヶ月も前に健康診断したら結果は出るだろうし
いままで特に問題になったことはないからほとんど問題視していませんでした。

健康診断ってなんとなく甘く見てしまいますよね〜。
しかしそのせいで後からえらい目に遭います…
どうやって受けるのか
我々のような社畜サラリーマンの場合、検査は基本的に会社が手配してくれます。
わたしの場合は関西の企業で、選択できたのは京都と兵庫の診断所のどちらか二箇所です。
基本的にはこちらからアクションをする必要はなく、日程調整だけすればよいのですが
定期異動に向けた健康診断はどこもいっぱい!
健康診断の予約を取るのも一苦労します。
電話してその週のうちに〜、と思っていましたが予約満員で取れず、
結局受けたかった週の3週間後になってしまいました。

受診結構遅くなってしまった、フライトまで1ヶ月半
診断結果の送付もあるし…まだ、まだ大丈夫だ!(死亡フラグ)
精密検査:大腸内視鏡検診(大腸ファイバー)へ
いよいよ健康診断
健康診断当日、今まで受けたことのないメニューの数々に驚きます。
前日に検便、当日はバリウム飲んだり、心電図取ったり、エコー検診したり。
繰り返しですがコロナ渦でしたので「こんなところでもし感染したら面倒だなぁ」と思いつつ
当日はそれで終了。
通常なら絶賛業務中の平日ですがその日は午前検診でしたので午後も悠々とお休みを取得。
「健康診断後のこってりラーメン(天下一品)は最高じゃぁ〜〜」と余裕綽々で帰宅しました。
まさかの要精密検査、また出国予定が伸びる!!
フライトまで1ヶ月半前の時点での健康診断を受け、1ヶ月後ほどに結果が到着。
診断結果は本人ではなく、会社の産業医に送付され内容をチェック。
その産業医が出国の可否判断をして本人に通知をします。
特に緊張もせず健康診断結果と産業医の診断ファイルを開くと
「出国不許可:要再検査です🧐」
えぇ~~~!!!
もう色々準備してるのに!??出国不許可!?
普段の健康診断では本当に何にも引っかかったことのない健康体でしたから
まさに青天の霹靂でした。
診断内容を見ると
「検便で血液反応有り。大腸がんの疑いがあるため大腸内視鏡検診を受診せよ」
とのこと。
急ぎ大腸内視鏡検診を受信できる病院に問い合わせたところ、早くても3週間。
結果は1週間ほどかかるとのこと。
この時点で予定通りの出国は夢の彼方に儚く散ったのでした…

この時点ではすでにホテル暮らしも我慢の限界になっており
いい加減早く出国させてくれとキレかかっていました。
今思い返せば大したこと無いのですが、先の見えない不安で大きいですよね。
人生初:大腸内視鏡検診のつらさ
大腸内視鏡検診とは?
そもそも大腸内視鏡検診とはなにかというと、胃カメラのお尻バージョンです。
目的としては、大腸内にできるガンや、その前触れのポリープを確認します。
わたしの場合、提出した検便から血が検出されたことから
この検診が必要と判断されたわけです。
まだ30代のかじまは大腸内視鏡検診、、これが人生初体験でしたが。。
今まで病院でかかった中では一番つらかったです。
つらいポイント1:前日から固形物禁止
大腸内視鏡検診は別名「大腸ファイバー」とも呼ばれ、お尻からファイバーカメラを通し
大腸の中を隅々まで確認します。
カメラで確認するので、もちろんその前に腸の中は綺麗サッパリ無くす必要があります。
事前準備としてまず、検査前日から固形物を摂取せず、腸の中を空っぽにします。
その上で”わざわざ”前日の夜中に薬を飲み、自ら下痢地獄に陥ります。
家は無くホテル、しかも空腹のうえ夜中は下痢で眠りもままならない。
検査当日はこの世の地獄のようなコンディションです。

一応固形物でない専用のお粥などもあります。
かなり割高ですが、多少は空腹を満たせるのでしょうか?
私はあまり美味しそうじゃなかったので我慢する道を選びました。
つらいポイント2:謎のプラスチック溶液で腸内洗浄
病院に行ってからは専用の待合室に連れられ、謎のドリンクを大量に飲むことになります。
これは大腸を洗浄するための薬剤で、私の場合はモビプレップが処方されました。
モビプレップとは
腸内洗浄用の薬剤で主成分は水とポリエチレングリコール(PEG)、後は香料です。
PEGは高分子の一種で、簡単に言うと水に溶けやすいプラスチックのようなものです。
体にはほとんど吸収されないため、飲んだ分だけ排泄され、腸内を洗浄できます。
これを飲む量が尋常ではなく、わたしの場合はモビプレップを1000mL
それに水を500mL飲むことになりました。

美味しいわけはない

こっちは合計2L。流石に2Lはつらすぎる…
味はポカリスエットみたいな感じで、まぁそんなにまずいものではないですが
とにかく量が多く、時間をあけつつどんどん飲みます。
しばらくすると吸収されない薬剤は下から出てくるので、トイレで排泄🌞
また待合室に戻り飲んでは、トイレへGO。
かつて哲学者のパスカルは「人間は考える葦である 」と言ったそうですね。
しかしこのとき私は「人間は考えるただの管」なんだと思いました。
本当に口から洗浄液を飲んだだけ下から出てくる、まさに管になった気分だと
気を紛らわせながらトイレで冷や汗垂らしていました。

最終的にはお尻から出る洗浄液が完全な透明になり、驚きました。
生まれてから30年、こんなに腸内がきれい(物理)になったことは無いでしょう。
(そしてこれからもしばらくは無いことを祈ります)
つらいポイント3:いよいよ大腸内視鏡検診の本番
病院に入って3時間ほど、いよいよお尻からファイバーを入れます。
緊張しながらも優しいお医者さんがゆっくりカメラを入れます。

「あー普通に痛い😣」
「普通に痛い感じなのね!!! ぐおおおおしかも長い、長い~~😫!!!」
大腸長いんですよ!
入り口から入って反時計回りにグリーっと進んでいきます。
見たことないですが、カメラの進み方的にいわゆる大腸の形に進んでるんだなぁと


大腸内の曲がり角がとくに痛かったです。
将来するかもしれませんがしばらくは御免被りたいです。
結果:何も見つからないんかーい!!
げっそりした大腸内視鏡検査の後1週間後、結果が届きました。
こんなつらい思いをした検査、、、なにかあったのかなと思いましたが

「きれいな大腸でしたよ!問題なしです!」
うおぉおおおい!よかったけど!よかったけども!
出国は遅れるわ、洗浄液で腸内綺麗サッパリだわで散々な目に会いました。
まぁでも、ほんと何事もなく良かった良かったです😅
やさしい先生に感謝しています🙏
まとめ
なぜ精密検査になったのか
後ほど担当のお医者様に話を伺いましたところ、検便の血液反応陽性は、
切れ痔やいぼ痔でもなることがあるとのこと。
確かにわたしは切れ痔気味の体質なのでもしかしたらそれで陽性になったのかもしれません。
もちろん検便の血液検査陽性の時点では、切れ痔なのか、腸内の腫瘍なのかの判定できないので、
どちらにしろ検査は必須だったのですね〜。
それにしても切れ痔でそんな大事になるなんで、とほほ…
出国に与えた影響は?
肝心の出国に与えた影響ですが、シンガポールの入国申請も承認されず
健康診断もアウトで当初の予定から大幅に出国遅れです。
結果、会社の辞令上は2020年10月着任でしたが、実際に入国したのは12月です。
おまけに家でゆっくり出来ていればそれでも良かったのですが、
実際は賃貸を解約していたのでその間ずっとホテルぐらしです。
早めの健康診断が本当に重要
振り返ってみてどこが間違いだったかなぁと思うと、やはり初めの動き出しです。
わたしの場合は健康診断を会社からいわれるまで待っていましたが、
赴任の声掛けが来た段階で、会社に掛け合って早めてもらうよう交渉はできたかなと思います。
次回(あるのか分かりませんが)はこの点注意して進めたいと思います。

あと切れ痔とかイボ痔とか、お尻にトラブルが有る人は検便は気をつけて
お医者さんからも、「こういう大事な検診はうまくやるもんだよ(意味深」
と謎のアドバイスを貰いました。
本日の結論
・出国前の健康診断は何よりも先行して実施!
・特に切れ痔の人は検便に細心の注意を!
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